摂食障害克服編②〜摂食障害の始まり【拒食】
前回までは、私がなぜ摂食障害に陥ったのかお話ししました。
時間にすると、私は20年以上という長い年月にわたり悩むことになるのですが、もちろんその間ずっと同じような状態だったわけではありません。
体の変化、心境の変化、症状の変化。
浮いたり沈んだり、もがいたり、まぁ長い長い葛藤の時間でした…
今回からは、「どのように変わっていったか」の経緯と、
「それによって何が起こったのか」、を主に書いていきたいと思います。
※具体的な描写も含まれますので、今現在摂食障害に苦しんでいて、そういった文字を目にするのが辛い方、またはそれがトリガーになると思われる場合は、読み飛ばしてください。
まず最初にいうと、私の摂食障害は、
拒食→過食嘔吐
でした。
カウンセラー、グループ、専門医に助けを求める機会はありませんでした。
拒食期(〜3、4ヶ月)
実は、今となっては、はっきり覚えていないのですが、大体3〜4ヶ月くらい拒食期が続いたと思います。
前回にもお話した通り、ことの始まりは遊び半分の食事制限。
例えば、一食の代わりに小さなクッキー一枚でやり過ごす、のようなものでした。
エスカレートするようになってからは、「栄養のことも考えなければ」とお菓子で食事置き換えではなく、栄養素を摂取するようになりました。
…が、それは
朝食;オレンジ半分
昼食:茹で卵1個とミニお惣菜の半分
夜食:残りのオレンジ半分とミニお惣菜半分
といった具合でした。
加えて、毎日ウォーキングを始めるようになりました。
一つは、エネルギー消費のため。
もう一つは、夕ご飯時になると、近所から立ち昇ってくる美味しい匂いから逃げるため。
夕暮れ近くになると、ふらふらと家から抜け出し、永遠とあてもなく歩きつづける自分。
初めて親元から離れ、1人暮らしを始めた大学生活と言えば、楽しい真っ盛りの時期のはずなのに、私は社交生活からも距離を置くようになりました。
なぜなら、そこに食事の機会が含まれるのが怖かったから。
日毎、痩せこけて目ばかりが強調されていく私に、
「なんか、〇〇ちゃん、最近目ギラギラしてるね」と声をかけてくれた友人もいます。
それには、単純に大きくなって見える目のことを言っているだけでなく、ダイエットに取り憑かれた私の異常な目を間接的に警告してくれていたのでしょうね。
ダイエットがエスカレートし始めてからは、間接的はおろか、「ちゃんと食べてる?」もしくは、ダイレクトに「拒食症なんじゃないの?」なんて聞いてくる人は誰ひとりいませんでした。
聞かなくても、何かがおかしいことは明らかで、さらに私は全身から他人からのいかなるアドバイスも拒絶するオーラを放っていましたから…。
拒食期の終盤の食欲はとてつもないものでした。
今でも紙にみたらし団子の絵を描いてみて、涙したのを覚えています。
空腹で空腹でしょうがない私の食欲を抑える唯一の心の支えは、体重計の減っていく数値だけでした…。
普通の心理状態なら、何のためにここまで、と思うでしょうね。
それが、正常な心の状態と異常な心の状態の境目なんでしょうね。
たた、その境界は本当に曖昧で、私自身、いつ、どのタイミングで「軽いダイエットのつもり」からすっかり呪縛に取り憑かれてしまった状態にはまったのか、言うことはできません。
摂食障害に陥るまでの10代の若い私は、自分はいつも「正常な人間」と思って生きてきました。
でも本来、「正常な人間」、「異常な人間」になんて二分することはできません。
摂食障害以外にも、仕事であったり、人間関係であったり、病気であったり、環境の変化であったり、きっかけは何であれ、「正常で健康な心の状態」から「異常で不健康な心の状態」に陥る可能性なんていとに容易く、いつだって、誰にだって起こり得ます。
摂食障害を患っていた間、自分のことを「異常な人間」だ、と自己否定に陥っていた時期もありましたが、決してそうは思わないてください。
摂食障害は、他の身体に起こりうる病気のように、心の病気です。
そして、健康な状態に治ることだって十分に可能なのです…。
拒食期の要約
【行ったこと】
- 極端な食事制限
- 毎日、2時間以上のウォーキング
- 社交生活の制限(特に食事の機会を含む)
【身体に起こった変化】
- 短期間での極端な体重減少
(3ー4ヶ月で20キロ以上。身長173㎝、約37kg) - 髪の毛が抜け始めた
- 生理が止まった
- 頻繁な立ちくらみ
- 肌がカサカサになった
- 汗をかかなくなった
- 極端な便秘になった
【その他の変化】
- 異常食欲
- 友人が離れていった
- 絶えず、イライラ